こちらの記事はMBCC通信バックナンバーVol7月 にて配信された記事です

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心理学者のロバート・プルチックが提唱した感情の輪(Wheel of Emotions)は、自他の感情を読み解くリテラシーを開発する有効なモデルです。EQトレーニングでも広く活用されている図のモデル(下の図を参照)から、まずプルチックは相対する8つの基本感情があることを説いています。
  • 喜び悲しみ
  • 信頼嫌悪
  • 心配怒り
  • 驚き予測
また周縁から円の中心に向けて感情の強度が高まります。そして隣り合う2つの感情によって2次感情が生まれます。たとえば今の仕事をすることに喜びを感じている人が、同じ仕事に将来の展望が開けていると、楽観的になれるというように。 
一方、職場の理不尽さに怒りを感じている人が、これからも同じ状況が続くことを予測していると、攻撃的な感情が高まってくるでしょう。
コーチが職場の不正を目の当たりにしたクライアントに対して「今、どんな気持ちですか?」と問いかけます。クライアントは「こんなことが起きて、とても驚いています」と答えたとしましょう。「そうですか、驚いているのですね」と解釈を交えずにリピートする。これは基本的なスキルのひとつではあるのですが、さらにつづけて「身体から聴こえてくる声は、他にもありそうですか」と問いかけることもできるでしょう。
身体感覚とつながってスペースをつくっていくと、「こんなことが起きてしまった悲しみ」
や「社会の信頼を失墜することへの不安」などが現れてくるかもしれません。それは複数の感情が折り重なった、さらなる感情の発見につながるでしょう。
つらい事例を上げましたが、ネガティブな感情に蓋をしているとポジティブな感情にアクセスすることもできません。クライアントが今この瞬間から逃げずに向き合える機会をつくるために、コーチ自身が感情リテラシーを磨くことが不可欠です。

(MBCCファウンダー 吉田 典生)