国際コーチング連盟(ICF)について

■ 世界随一のグローバルなコーチング専門組織

ICFは世界随一の5大陸にまたがるコーチングの専門家、専門組織、関係者を会員とするグローバルの非営利法人です。2022年1月現在での会員数は5万人(150以上の国と地域)を超え、80以上の国と地域で143の支部が地域の会員にサービスを提供しています。 コーチングはほんらい高度な専門性や幅広い知識が要求される専門職である一方、政府や行政機関による公的な職業規制がなく、誰もがコーチを名乗り、コーチングの学習コースを提供し、コーチングを実施することができます。国際コーチング連盟は非営利組織としての客観的な立場から、他の非営利団体や大学、調査機関などとの連携のもと、民間による健全なコーチングの普及と専門家、専門組織の育成や管理、科学的検証などに取り組んでいます。

国際コーチング連盟(ICF)の承認プログラム

2022年にコーチングの学習コースおおび運営組織に関する世界共通の審査基準が改訂され、コーチング市場の成長に伴う新たな制度へ移行しました。ICFは所定の審査にもとづいて、以下3つのコーチングの専門家養成コース、および専門家の継続学習プログラムを承認しています。

ICFに加盟する世界各地のコーチングスクールや大学等で提供されるコースの品質、教育者の資質、運営組織の信頼性は、統一された基準で審査されます。それを通過しなければ講座を提供することはできません。また承認されたプログラム、組織は定期的な審査を受けることで品質の維持・向上が求められます。

MBCC®は以下のうちLevel1、Level2のコーチ養成コースを運営するとともに、認定コーチの継続学習プログラムとしてのCCEを複数用意しています。

■ Level1

このコースは60時間~124時間の学習カリキュラムで構成されています。MBCC®のLevel1コースは、コーチングの専門家としての最も基本的な技能と知識を修得するためのものです。プロフェッショナルとしての第一歩をここからスタートすることができ、また組織のリーダーやマネージャー、各種専門職の方が、それぞれの職務においてコーチングスキルを活用するための基本を学ぶのにも適しています。
このコースでの学習は、ACC(アソシエイト認定コーチ)取得に必要な学習時間とみなされます。
※MBCC®で実施するLevel1の修了技能審査は、国際コーチング連盟により認められたアセッサーによる技能審査となります。

■ Level2

このコースは125時間~175時間の学習カリキュラムで構成されています。MBCC®のLevel2コースは、独立した職業コーチや企業内でコーチングを提供する専門家、あるいはコーチングの専門性を兼ね備えたリーダーやマネージャーを養成するためのコースです。
Level1の段階で習得することを求められるコーチングの基本に加え、個人や組織のクライアントの状況に応じたコーチングのカスタマイズを通し、より深い領域にアプローチするための技能と知識の修得を目指します。
このコースでの学習は、PCC(プロフェッショナル認定コーチ)取得に必要な学習時間とみなされます。
※MBCC®で実施するLevel2の修了技能審査は、国際コーチング連盟により認められたアセッサーによる技能審査となります。

■ Level3

このコースはプロフェッショナル認定コーチ(PCC)のみを対象にした、全75時間のマスター認定コーチ(MCC)取得に向けたコースです。コーチングをこれから学ぼうとする方が、認定コーチではない段階で選択することはできません。

MBCC®では気候危機への対処、社会変革、人間性の開発に視野を広げて、マインドフルコーチング®の学びを深めるLevel3プログラムを計画しています。

■ CCE

修了生やプロコーチとして活動している人を対象にした継続学習プログラムです。

CCE=Continuing Coach Education

MBCC®では既に認定を保有している方や学び続けたい受講生のために、MBCC®の本コースとは別にさまざまな継続学習コースをご用意しています。
※ICF認定コーチは3年間に40時間以上の継続学習が義務づけられています。そのうち24時間以上はプロフェッショナルコーチングの核となるコアコンピテンシーに関する学習が求められます。

MBCC®が提供する承認プログラム

MBCC®はLevel1、Level2、CCEの各コースを提供しています。

MBCC®が提供するLevel1 学習コース

【マインドフルコーチング®入門 SSU】+【マインドフルコーチング®基礎 エッセンシャルズ】(全68.5時間)

SSU(22.5時間)のみを受講して後にエッセンシャルズ(46時間)を受講することでもLEVEL1コースの受講となります。
このコースには認定取得に必須となる10回のメンターコーチング(コースでの学習を補強し、知識やスキルを深めるためのトレーニングの意味合いをもつ1on1またはグループでのコーチング)が含まれます。

MBCC®が提供するLevel2 学習コース

Level1学習コースにマインドフルコーチング®応用チェンジメーカー(74.5時間)を加えたMBCC®のトータル学習。Level1修了者を対象に年一回、チェンジメーカーの受講者を募集します。したがってこのコースで学んでいただく方は、既にコーチングの基礎を学んでいることを前提に、PCCレベルの知識と技能の習得を目指して学習を進めます。

MBCC®が提供するCCE(継続学習)プログラム

修了生をはじめとするコーチの学習・実践を続けている方を対象にした多様な学習プログラムを用意しています。また応用コース(チェンジメーカー)修了生は、コーチングに関する専門性を磨くためのゼミナールで学ぶこともできます。(コーチングの基盤、応用、関連するツール、リサーチなど)

国際コーチング連盟(ICF)の認定資格

国際コーチング連盟の資格取得の対象者と要件

ACC(アソシエイト認定コーチ) 【コーチング実績】
60時間以上のコーチング学習
100時間以上のコーチング経験
【その他の主な合格要件】
10時間のメンターコーチング
修了技能審査の合格
ICFクレデンシャリング試験の合格
PCC(プロフェッショナル認定コーチ) 【コーチング実績】
125時間以上のコーチング学習
500時間以上のコーチング経験
【その他の主な合格要件】
10時間のメンターコーチング
修了技能審査の合格
ICFクレデンシャリング試験の合格
MCC(マスター認定コーチ) 【コーチング実績】
200時間以上のコーチング学習
2,500時間以上のコーチング経験
PCC保持者または元保持者
【その他の主な合格要件】
10時間のメンターコーチング
修了技能審査の合格
ICFクレデンシャリング試験の合格

ACC(アソシエイト認定コーチ)

この認定で要求される技能や知識は、コーチングの専門性におけるもっとも基本的なレベルです。“アソシエイト“(Associate)にはさまざまなニュアンスがありますが、ここでは初級コーチ、準専門職的な段階と考えてください。国際コーチング連盟が定めた最低60時間の学習を修了し、技能審査を通過することが求められます。また100時間以上のコーチング業務経験が必要です。これらの要件を満たし国際コーチング連盟によるコアコンピテンシーと倫理規定に関するICFクレデンシャリング試験に合格することで、認定を取得することができます

PCC(プロフェッショナル認定コーチ)

この認定で要求される技能や知識は、コーチングの専門性を備えたプロフェッショナルのレベルです。現在グローバル企業や政府機関などが経営者や役員、従業員にコーチをつける場合の基本的な要件として、PCCレベル以上を取得しているコーチであることが目安となるケースも多いようです。
PCCの取得には国際コーチング連盟が認める125時間以上の学習と500時間以上のコーチング業務経験が求められます。これらの要件を満たし国際コーチング連盟によるコアコンピテンシーと倫理規定に関するICFクレデンシャリング試験に合格することで、認定を取得することができます。

MCC(マスター認定コーチ)

この認定で要求される技能や知識は、もっとも高度で深いコーチングに関する専門性です。国際コーチング連盟が定めたPCC段階までの学習(Level2)を満たした上で、それにMCC基準の学習を加えたトータル200時間以上の学習と、2500時間以上のコーチング業務経験が求められます。これらの要件を満たし国際コーチング連盟によるコアコンピテンシーと倫理規定に関するICFクレデンシャリング試験に合格することで、認定を取得することができます。

国際コーチング連盟の認定取得についての補足

  • それぞれの認定資格に応じた学習時間数があります。
  • それぞれの認定資格に応じたコーチング経験(実際にクライアントに対してコーチングを提供した時間数)が申請には必要です。
  • 各資格の取得にあたって、それぞれ10回のメンターコーチングを受ける必要があります。
    ※ICFの承認プログラム受講中は、コースの一環として提供されます。
  • 各承認コースを学ぶだけではなく、コースで実施される技能審査に合格する必要があります。
  • ICF承認プログラムでは受講生の技能審査を行いますが、最終の筆記試験はICFが所定の方法により直接行います。

MBCC®で国際コーチング連盟の資格を取得するには

ACCレベルへの到達に向けた受講方法

MBCC®では入門コース(SSU)と基礎コース(エッセンシャルズ)がACCの技能・知識を満たすためのプログラムとなっています。
受講は2つのコースを一括お申込み(基礎コース募集時)、またはSSUを修了後にご自身のスケジュールに合うタイミングで基礎コースを受講、どちらも可能です。
また基礎コース修了時にACCレベルへの到達度を評価する修了技能審査を行います。既定の履修時間を満たすことで全員がコースの学習を完了したことになる一方、技能の到達度は個別に評価してフィードバックをお送りします。

PCCレベルへの到達に向けた受講方法

PCCレベルを目指す学習となる応用コース(チェンジメーカー)は、MBCC®基礎コース(エッセンシャルズ)を完了した方のみが対象です。
この場合、ACC認定を取得していなくても受講していただくことはできますが、受講にあたっては所定の審査があります。
また、コース修了時にPCCレベルへの到達度を評価する修了技能審査を行います。既定の履修時間を満たすことで全員がコースの学習を完了したことになる一方、技能の到達度は個別に評価してフィードバックをお送りします。

通年で行っている技能審査について

MBCC®では各コースの最終段階で行う審査とは別に、通年で修了生を対象とする修了技能審査を実施しています。
詳しくはこちらをご覧ください。

ICFクレデンシャリング試験
(ICF Credentialing Exam)

国際コーチング連盟では各認定レベルでICFクレデンシャリング試験を実施しています。
このオンライン筆記試験は各資格認定プロセスの最終ステップです。指定会場または一定の条件を満たした場合に自宅等リモートで受験することができます。
これはMBCC®のような承認されているコーチングスクール経由ではなく、受検を希望する方が直接申し込みます。
ICFクレデンシャリング試験の手順について

修了技能審査(MBCC®
合否連絡(MBCC®
合格者は申請書類を準備
ICFに提出
ICFクレデンシャル部門による書類審査
ICFより承認の諾否連絡
承認されると受験案内が送られてくる
指定期日までに受験予約
会場またはリモート受験
ICFより合否連絡

よくある質問

Q:国際コーチング連盟(ICF)とはどのような組織ですか?
A:1995年設立の非営利組織で、4万1500人の会員を擁する世界最大のコーチング専門機関(2021年7月)。プロコーチ、コーチングに関わるステークホルダー(法人、コーチング導入を推進するリーダーや担当者等)で構成され、コーチ養成を行う民間組織の承認やコーチの認定を、世界統一基準に基づいて行っています。
Q:国際コーチング連盟(ICF)の資格の有無は、コーチの仕事にどのくらい影響しますか?
A:コーチングに法的制限がないので、認定がどの程度重視されるかはコーチを雇う組織や個人の考え方によります。しかしコーチングの普及に伴いコーチの質が問われることが増え、”品質保証”が重視される傾向にあります。米国の行政機関やグローバル企業等では、コーチを雇う際の要件にICFの認定を置くケースもあります。
Q:英語が苦手でも国際コーチング連盟(ICF)の資格を取ることはできますか?
A:どのようなプログラムを選択するかによると思います。MBCC®はACTPという国際コーチング連盟(ICF)の最も高い基準をクリアしたコースで、最終的な技能審査まで国際コーチング連盟(ICF)に代わって内部で実施します。したがって英語力がハンデになることはありません。また海外からの情報を翻訳し、広く届けて学びを深めることにも力を入れています。
Q:国際コーチング連盟(ICF)の資格がないコーチもいるようですが、この資格があるのとないのとではどんな違いがありますか?
A:解説でも述べたとおり世界的にコーチングの提供には公的な制約がなく、誰もが「コーチ」と名乗り、「コーチング」を提供することができます。したがって認定がどの程度重視されるかはコーチを雇う組織や個人の考え方によります。しかしコーチングの普及に伴いコーチやコーチング学習を提供する組織の質が問われることが増え、欧米の行政機関やグローバル企業等では、コーチを雇う際の要件にICFの認定を入れているケースもあります。また2021年に世界市場を対象に行われたPwC(プライスウォーターハウスクーパース)の『コーチング消費者調査』によると、「自分の雇うコーチがコーチングの学習を修了、またはそれによる認定を得ていること」は非常に重要、もしくは重要と回答した人が85%となっています。
Q:国際コーチング連盟(ICF)の認定を持つコーチは顧客の紹介が得られるとか、ビジネスがしやすくなるでしょうか?
A:認定=仕事の斡旋ではありません。これはたとえばMBAを取得したから望む仕事が保証されるわけではないのと同じです。ただ前述したようなコーチを雇いたい組織、コーチングのトレーニングを依頼したい組織などが、コーチを選定する際の重要な基準の一つにはなると考えてよいでしょう。その意味では仕事が「保証されるわけではない」けれど、コーチとしてのキャリアを切り拓く上での「可能性を拡げる」ことにはなると思います。コーチの「認定」はコーチを雇う(コーチングを依頼する)側からみると“最低限の品質保証”であり、そこに各々のコーチの強みや特性が加味されることでプロフェッショナルとしての価値が生まれてきます。
Q:MBCC®のような民間のコーチングスクールと国際コーチング連盟(ICF)は、どのような関係ですか?
A:国際コーチング連盟(ICF)を各都道府県にある自動車運転免許試験場だとすると、MBCC®のようなコーチングスクールは、いわゆる“自動車学校”=ドライビングスクールだと思ってください。自動車免許を取得する場合、一定の基準にもとづいて各ドライビングスクールが実習を含めた授業を行い、最終的な技能試験まで行われますよね。ICFの承認を受けたMBCC®のようなコーチングスクールは、これと同じようにコーチング実践者としての知識と技能の学習を提供し、最終の筆記試験以外の審査を担っています。
またコーチングスクールは認定コーチと同じように、プログラム実施状況や卒業生・受講生の学習状況、組織運営に問題がないか等について、これも世界共通の基準によって定期的に審査を受けています。
※運転免許取得のプロセスは国によって異なるので、これは日本に当てはめた場合の説明です。
Q:国際コーチング連盟(ICF)以外から認定資格を取得することはできますか?またできる場合、どのような違いがありますか?
A:コーチングスクールや大学など、コーチングのコースを提供している組織が独自の基準とプロセスで資格を付与しています。それぞれの内容や信頼性については、受講する方の判断になります。第三者機関による審査がないぶん、学習内容の品質にバラつきが大きい可能性がある点はご留意ください。一方、欧州を中心とするEMCCや英国を本拠とするACなどは、学習コースを提供する組織やトレーナーの審査・承認、およびそれらのコーチング学習を修了した人の認定などに関わる国際的な非営利組織です。APACというアジア・太平洋地域の専門家が集まるコミュニティ組織もありますが、コーチ認定などは行っていないようです。