コーチングの実力と練習量の微妙な関係
最近、MBCCの説明会に参加してくれる人たちから、
「受講生同士で練習する機会はどのくらいありますか?」
と質問されることが増えました。
どうも話を聞いていくと、練習したい人たちをマッチングして、コーチングし放題みたいなことをスクールの売り物にしているケースが結構あるようです。
MBCCでも同じ期の受講生同士だけではなく、期を超えたメンバーとの接点づくりは応援しています。
リアルな学習会も定期的に開催しています。
場数を踏むことは重要で、コーチングは体系的に学び、実践し、受けることが三位一体の学びだと強調しています。
これは26年前にコーチングに出会ったとき、私もアメリカから来ていたコーチに言われたことです。
しかし気をつけてほしいことがあります。
コーチングを学んでいる人同士だと、お互いにコーチングの効果を実感したいと思っているでしょう。
またコーチングのお作法的なこと(実は危険な落とし穴)を共有しているので、型にはまったものがそのまま通用してしまうこともあるでしょう。
これらは確証バイアスやイングループバイアスとして、ほんらい教育者側が気をつけておかなければなりません。
また同じことを学ぶ仲間意識があるので、相手に(コーチ側に)成果を出させてあげたいという無意識の配慮が働くこともあります。
学習理論を紐解いていくと、ほかにもさまざまな落とし穴があります。
こうしたリスクをふまえた上での工夫や合意が大切で、そのためには一定以上の経験を備えた人が支援したり、監督することも時には必要だと思います。
そして自信がなくても、自信がないということを伝えて趣旨を理解してもらった上で、コーチングを学んでいない人をクライアントにした実践が必要です。
それがあるからこそ、関係の構築やクライアントが責任をもつこと、コーチ自身の自己管理といったコーチングの基盤になることをリアルに学ぶことができます。
では、どんな人にどう伝え、どのように協力してもらう道筋をつけていくか。
そういうことを理解し納得して挑戦するためにこそ、ほんとうはメンターコーチがいます。
使い倒せるメンターコーチは思い浮かびますか。
リアルな体験をシェアしてくれる先輩は思い浮かびますか。
AIコーチが指南してくれるのは、コーチングに蓄積された過去のナレッジの要約です。
それは、あなた自身のユニークさにもとづいて未来を切り開くものではありません。
もしもバットを持つ手が逆だったら、講座のトレーナーは即介入してくれるでしょうか。
実践のふりかえりとは単なる反省ではなく、正しく観察するための技法だということを伝えてくれるでしょうか。
コーチングの練習量がそのまま質に転化するのではなく、正しく積み上げてこそ質に転化していきます。
100人と実践したら上手くなるのではなく、どのように100人と実践するか。
学ぶ仲間のコミュニティは、むしろそれを一緒に考え、その場をともに創造していくための力になるのだと思います。
(MBCCファウンダー 吉田典生)
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