MBCC®️受講生向けに配信されているメールマガジンMBCC®️通信から冒頭コラムを抜粋してご紹介しています。(受講生限定・メンバー限定情報などはメルマガのみの配信としています。)
登録はどなたで可能です。ぜひ登録して最新情報にアクセスしてください。

コーチングの倫理をめぐる大きな動きについて
ICF(国際コーチング連盟)がコーチング業務に関する倫理を定めた通称”code”(code of ethics ※以下、倫理規定)を改訂しました。既に七か国語で配信していますが、まだ残念ながら日本語訳が出ていません。
そこで、ひとまずMBCCでは受講生コミュニティで改訂のお知らせと、使用上の注意を明記したChatGptによる翻訳ドラフトを配信しました。そして、これから正式な翻訳作業に入ります。
新旧のいちばん大きな違いは、これまで倫理規定とは分けて示されていたcore values(中核となる価値観)とethical principles(倫理原則)が倫理規定の文面に組み込まれ、一体化されていることです。
これまでも私たちの講座では「価値観に基づく倫理」という構造を伝えてきましたが、このようにアップデートされたことで学習しやすくなったと思います。
ここでいう「価値観」とはICFおよび構成員であるコーチが共有する価値観という意味です。
一人一人には多様な価値観があり、それらは各自が背負う文化や過去の経験などに依るところも大きいかもしれません。
だからこそ、それはそれとして、コーチという専門職においてはこれが大事ですよ・・・というものを、ICFは明確化しています。
これがないと倫理規定は成立しません。
なぜなら倫理は何らかの社会集団(業界、専門職集団、組織など)における規定だからです。そこが生育環境や宗教心などにより、個人の内面的なところから生まれてくるモラル=道徳との違いです。
今やコーチングは文化的な背景の違う世界各地に広がっており、何が正しい行いかの判断も個人レベルでは大きく異なる、といったことが生じても不思議ではないでしょう。
こうした状況で職業上の混乱を避けて信頼を高めるには、倫理の確立と強化が不可欠なのだと思います。
では倫理規定を理解すれば済むかというと、実はそこから先が本当の課題だというのが、じつはコーチの職業倫理に精通する多くの専門家から聞こえてくる声です。
倫理規定という書面で共有できることには、現場で発生するさまざまな事象、その当事者にしかわからない文脈は入っていません。たとえば生成AIの日進月歩の進化は、コーチングの現場における活用法を変えていくはずです。ですがそのスピードや多種多様な使い方を考慮に入れて、細かく倫理規定を網羅することなど不可能でしょう。
だからこそ特に欧州や米国においては、倫理に関する効果的なリフレクションやスーパービジョンに関する調査、議論が盛んになっています。MBCCではコーチングを未来の世界に遺していくために、このような情報をお届けするとともに、継続的な学習機会を作っていく予定です。
(MBCCファウンダー 吉田典生)