MBCC®️受講生向けに配信されているメールマガジンMBCC®️通信から冒頭コラムを配信そのままにご紹介しています。(受講生限定・メンバー限定情報などはメルマガのみの配信としています。)
登録はどなたでも可能です。ぜひ登録してMBCCの最新情報にアクセスしてください。

改訂されなかった大事なコーチのコンピテンシー
ICF(国際コーチング連盟)のコア・コンピテンシー(専門家としてのコーチが身につけるべき能力水準を定めたもの)が改訂されたことは、この記事を読んでくださっている方の何割かが既にご存知かと思います。
何が変わったかについては、こちらの「日本でどこよりも早いICFコア・コンピテンシー解説ライブ」を、ぜひご覧ください。
ここでは、改訂されていない大事なことを一つにしぼって紹介します。
なぜならば、これから取り上げることが日本で正しく伝わっていない可能性が高いこと、そして、これを理解せずに改訂内容を理解し実践するのは難しいこと。
このふたつの理由からです。
今回の改訂でもっとも大幅な見直しがあったのは、コーチング能力の基盤に位置づけられている【Embodies a Coaching Mindset – コーチングマインドの体現】というコンピテンシーのカテゴリー2のところです。
今日注目したいのは、そのなかにある 改訂されなかった次のサブコンピテンシーです。
Develops an ongoing reflective practice to enhance one’s coaching
コーチング能力を向上させるための継続した内省的実践を身につける
コア・コンピテンシーにおいてはコーチとしての継続的な学習の重要性を、従来から強調しています。
その目的は言うまでもなくコーチとしての能力開発を通してコーチングの質を高めることです。
そしてこの一文で伝えているのは、能力開発につながる質の高い“ふりかえり”を身につけ、継続することの重要性です。
あえて平たい言葉で“ふりかえり”と書きましたが、通常のニュアンスとしてはリフレクションと呼ぶことが多いもので、もっと専門的にはリフレクティブ・プラクティス(内省的実践、または省察的実践)と呼びます。これ自体が専門家にとっての専門的な実践です。
私たちはこの訳をMBCC訳として使っていますが、ICF日本支部の訳では、
実践中のコーチングの振り返り能力を高めることで、自身のコーチングの質を高めている
と訳されています。MBCC受講生以外の方々にこの訳が伝わり正しく理解されていないとしたら、それは率直にいってまずいと考えてこれを書いています。
継続的に学んで能力を高めようという概念的なことは前のところで述べており、ここでは能力開発に必須のものとして内省的実践の定着を強調しています。
また「実践中のコーチング」という表現は定義を狭めてしまいます。
内省的実践というものはセッション直後のふりかえりもあれば、定期的にスーパービジョンを受けながら専門家としての現在地を見つめ直すなど、さまざまな意味を含むからです。
今回のコア・コンピテンシー改訂内容は、コーチという専門職に従事する者の在り方を広く問い、専門家としての基盤をアップデートすることに関連する要素が目立ちます。
それはまさに内省的実践そのものを磨き、習慣化させることなしに実現しないと思います。
生成AIの進出や倫理の欠落したマーケティング手法など、コーチングを取り巻く環境は揺れ動いています。
対人支援職としては歴史の浅いコーチングにおいて、内省的実践を正しくとらえ、定着させていくことが極めて重要な局面だと考えています。
(MBCCファウンダー 吉田典生)