倫理規定を知っていればいいのか問題
ICF(国際コーチング連盟)が倫理規定を定めていることは、このMBCC通信を読んでいらっしゃる皆さんならご存じでしょう。
ICFは倫理規定を「遵守すべき専門職としての行動における倫理基準」であり、「ICFと世界的なコーチの職業としての品位を示し維持するため」のものだとうたっています。
このICF倫理規定について「決められているものであり、ICFのコーチはそれを守るもの」という認識の方も多いのではないでしょうか。
一方で薬剤師である私は、薬剤師倫理規定(現:薬剤師行動規範)や臨床倫理、研究倫理を学び続けています。
その中で感じるのは「倫理指針や倫理規定をどう守るか」ということに対するコーチ業界との温度差です。
医療、特に臨床や研究では、個別具体的な判断を求められることが多い、という現実があり「こう書いてあるから、こう決まっているからこうだよね」というよりは、「何がこの場合、倫理的に最善の行動なのか」をそのときそのときで考える必要が生じることが多々あります。

状況の差であり、生命との距離感の差であり、進化の差(道徳的コンセンサスが取れるよりも医療や研究の進歩の方が早い)があるため、医療ではコーチングよりも倫理規定を定めることと、それをどう実現するかの議論が必要なんだろうな…と思っていたのですが。
先日Coaching Ethics Forum(CEF)に参加し、認識を改めました。
どう倫理を行動に落とし込むか、何ならそこにどんな倫理規定が必要か、どんなアップデートが必要か、そんなことが「当たり前のように」発表されディスカッションされていました。
私たちはVUCA worldに生きています。変化が激しく複雑化していく世界です。
となれば、書いてあることを知っておけばいい、倫理規定に明らかに反する行動さえしなければ大丈夫、という世界ではない。
そう思うと、CEFというものが開催され、コーチングの倫理規定が議論される必要がある必然性を感じたのです。
医療だって、遠い昔から倫理的問題に敏感だったわけではありません。
倫理的問題に対する認識を徐々に改め整え、考えるようになってきた歴史がそこにあります。
だから、コーチも。そう思いました。
MBCC®通信購読のススメ
MBCC®️受講生向けに配信されているメールマガジンMBCC®️通信から冒頭コラムを配信そのままにご紹介しています。(メルマガでは、MBCC®の最新情報、メンバー向けの限定情報と合わせて配信としています。)
登録はどなたでも可能です!ぜひ登録してMBCC®の最新情報にアクセスしてください。
