好奇心は幸せと成功の基盤
仕事をするうえで、好奇心はどのくらい必要でしょうか。
あなたは自分の好奇心を、どのくらい仕事に向ける機会がありますか。
ある調査によると、職場では60%の人が「好奇心を発揮できていない」そうです。
一方、「好奇心が高い人ほど昇進する」、と答えている人が61%。 つまり過半数の人は仕事に好奇心が伴っていない半面、ほぼ同程度の人が、成功している人は好奇心が仕事に注ぎ込まれているようだと考えているのです。
※2015年、化学・医薬品メーカー「メルク社」(ドイツ)での調査。
ポジティブ感情とネガティブ感情の中間にあるのが好奇心
また「ムードエレベーター」という概念を通して感情のマネジメントを教えるラリー・セン氏(※世界初の企業文化構築に特化した企業、セレン・ディレイニーの創設者)によると、好奇心という感情は、自分のより良い感情を維持したり、より良い感情に戻す鍵となる感情だと主張しています。
なぜなら好奇心は、ポジティブ感情とネガティブ感情の中間地点にある感情だからです。
たとえば部下から反論されたとします。それは「何を言うか!」といった怒りや不安などのネガティブ感情をもたらす場合もあるでしょうし、「そういう見方もできるね」といった受容や部下の成長を感じる「喜び」、「期待」につながるかもしれません。
好奇心は、予想外の部下の反論に対して、自分のなかで起きていることや、部下の様子に心を開いて注意を向けている状態です。この状態が生まれてくると、さまざまな感情が選択できる余地が出てくるのです。
望んだ仕事とは違う職務を担当していると、そこに好奇心など発揮できるはずがないと思うかもしれません。しかし好奇心を向ける先は、目の前にある仕事だけではありません。いま自分に起きていること、上司や会社の考え、少し先の可能性、この職務をこなしている自分に対する周囲の見方。
好奇心のスコープを拡げていくと、行き詰まっている感覚がほぐれてきます。ビジネスの着想が好奇心に支えられていることは、直感的にも理解しやすいでしょう。
先のメルク社の調査にもどると、「自分は好奇心が高い」と答えている人は22%。さらに、「仕事で好奇心を持てるように促される」と答えた人は12%です。
あなたの職場ではどうでしょう。あなた自身はどう感じますか。まずは、そこに好奇心を向けて、探ってみてはどうでしょう。
MBCCファウンダー 吉田典生