新型コロナウィルスと9年目の3.11に寄せて
吉田典生(MBCCファウンダー)
恐怖を煽ると人は考えなくなる。恐怖を希望に変えることが大事。大川小学校を襲った津波で小学六年生の娘さんを失くされた、佐藤敏郎さんがラジオで語っていました。
忙しすぎて考える時間がないからマニュアルに頼る。マニュアルがあれば何とかなるから、マニュアルを提出することが目的になる。マニュアルがあるから安心してしまい、想定外のことが起きると対処できない。
1年前、直にお話をうかがったときのことが蘇ってきました。9年目の3.11は、新型コロナウィルス拡大によって世界が想定外に包まれています。通用するマニュアルを持つ人は、世界に一人もいません。
一か月前に想像していたよりも、はるかに早く広がっている感染状況をみながら、今日(注:執筆した3月11日)、思ったことがあります。
これは今の世界が分かちがたく繋がり、世界中の人々が繋がっていることを示す、この上ないファクトではないか、ということです。憶測が流れ、デマが飛び交い、意見の違う相手を攻撃する。なんだか嫌な空気が広がっています。
今、世界の状況から、私たちが学ぶべきことは何か。
不思議なことに、「こんなに繋がっているんだ」という知覚の後を追うように、この問いが浮かんできました。恐怖と不安を拡げているのが繋がりなら、それを希望に変えていくのも繋がりではないでしょうか。
コーチは、智慧と行動を創出するプロセスの専門家です。コーチングは、何が起きようが自分で自分を何とかすることを支援するプロセスです。われわれの実践が広がって社会資本になっていけば、新型コロナウィルス後にも襲ってくるであろう、世界のさまざまな恐怖と不安を希望に変える一助になることでしょう。
MBCCの大切な仲間とご家族のみなさま、世界中の人々が、一日も早く平穏な生活を取り戻せますように。
人間らしく理性をもって、この難局を乗り越えて行きましょう。
<新型コロナウィルスへの私たちの対応について>
新型コロナウィルスに関するICF(国際コーチング連盟)からの声明と特設サイト
- CEO、Magdalena Nowicka Mook からのメッセージ
https://cutt.ly/1ta1FF8 - コーチのためのCOVID-19対応リソース
https://cutt.ly/Mta1Eao